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2016年9月25日に開催された哲学カフェ

日時:平成28年9月25日(日曜日) 13時〜15時半

場所:サロンド冨山房Folio

記録:哲学カフェ事務局

テーマ:「コミュニケーション能力とは何か? Part2」

ゲストスピーカー:寺門典宏氏(曹洞宗僧侶・福祉施設勤務)/新妻弘悦氏(東洋大学哲学塾第3期生・理学療法士)

形式:ゲストスピーカーのお話を聞いたのち、参加者の方とテーマについて意見交換を行う。

 

内容:

  1. ゲストスピーカーのお話

 (1)「コミュニケーションに言葉は本当に必要か?」(寺門典宏氏)

 言葉には、いろいろな意味があります。コミュニケーションは、言葉のみによって成り立つものなのでしょうか。

 仏教の修行では、自分に向かい合うことがほとんど。仏教の修行の1つである「五観の偈」では、食事中、その命をいただくにふさわしい行いをしたか、食べ物からエネルギーを」いただいているということを意識し、言葉を発することを許されません。できるだけ言葉を使用せず、自分の内面等に向き合うことに重点を置いて修行をします。

 福祉施設で利用者の方と接するとき、彼らの気持ち等を理解するのに言葉は使えないので、それ以外の要素、例えばアクセントや声の調子などから読み取ります。この経験でわかったことは、コミュニケーションにおいて言葉に頼らず、自分の内面と向き合いながら、相手を理解していくことが重要だということでした。

 

(2)「相手との間にある溝を埋めるためにはどうすればよいか」(新妻弘悦氏)

 わたしは普段、医療機関で認知症の方のリハビリをサポートしています。認知症の方々は、それぞれ自分の世界を持っています。ですから、コミュニケーションをとる際、その世界を否定せずに話を聞くこと、またその世界にこちらから近づくことが重要です。

 例えば、「これから会議に行く」といってどこかに行こうとする方に対し、「会議なんかありません。すぐにあなたの場所に戻りなさい」と無理やり押し付けてしまうと、相手は怒ったり、不快に思ったりします。そうではなく、「お茶でも入れましたので飲んでいってください」と声掛けをしたりするなど、相手の世界に合わせ接し方を変えることで、うまく収めることができるようになります。その際、こちらが「演技」を楽しむことも重要です。

 「ケア」とは、相手に何かを与えるばかりでなく、相手からも何かをもらうという双方向で成り立つもの。だから、コミュニケーションは必要不可欠です。

 

  1. グループでのディスカッション

 テーブルごとに分かれ、グループでのディスカッションを行いました。以下は、あるグループディスカッションに参加した人の感想です。

 今回、私のいたテーブルでは「相手との距離を縮めるためにはどうすればよいか」を中心に話を進めました。私たちの回りには、自分の意見を押し付けてくる人、話を聞いてくれない人、なんとなく気の合わないと感じる人など様々です。

 では、そのような相手がそばにいるとき、私たちはどうするでしょうか。私などは、「合わないから」といってその人との関係を諦める、なるべく接しないようにするようにすることが多いですが、それで本当の良いのかと思うことがあります。相手を遠ざけるのでなく、相手との溝をうめるようなコミュニケーションがとることができれば、自分にとっても相手にとっても良い関係を築くことができるかもしれません。

 気の合わない人とは関係を諦めるという選択肢が大部分を占める私にとってその溝を埋めるためには?という問いについて話し合うことは有意義でしたし、参加者の方々の意見は印象的でした。その意見をいくつかリストアップします。

 

・「相手と話す」だけがよい関係ではない。親子関係のように、長い間一緒にいることでできる基本的な信頼関係があれば、良い関係が出来ていると言えるのではないか。そして、その基本的な信頼関係さえあれば、コミュニケーションをとることができるのではないか。

 ・相手と意見が合わないときも、ある程度冷却期間を置くことで、相手の考えていることを冷静に見つめることができるようになる。時に、時間は重要である。

 ・相手の背景や考えを理解することが大切。

 ・「なんとなく合わない」の1つの理由として、言葉以外の雰囲気などがある。時と場合により異なるが、相手がハキハキシテいるか、見た目は爽やかか、調子のよいセールスマンのようでないかなど、見た目・雰囲気・声の調子などから受ける印象も大きい。そういう部分に気を配るとよいのでは。

 ・コミュニケーションをとるのは、人のために何ができるかを考えて人の役に立つため。それが、自分にとっても相手にとっても喜びになる。

 

 このように、当たり前とされていることでもいろいろな方の考えを聞き、意見を交わしあうことでその重要性に気づくことができた、そんな話し合いでした。

 特に、「コミュニケーションをとるのは人のために何ができるかを考えて人の役に立つため」という考えに関しては、改めてその大切さに気付くことができました。つい、コミュニケーションというと、自分の意見をいかに伝えるか、意見を聞いてもらえるかといった「自分中心」に考えてしまいがちですが、同時に相手の考えを聞き、自分の求めているものを探すこともそれ以上に重要です。

 今では、LINEやSNSなど文字だけのコミュニケーションでは、相手の気持ちを読み取ることが難しくなってきたと感じます。言葉1つにしても、ネット上でしたコメントが自分の考えていたのと違う意図で相手にとられ、相手を傷つけてしまったこともあるので、それを思い出し、よりよいコミュニケーションとは相手ありきのもので、自分のためでなく相手のために使うものだということが理解できます。

 今回、ディスカッションの中で、参加している人たちの実際のコミュニケーションの例などを基に、堅苦しくなく思っていることなどを言い合うことができました。参加している人は、学生からご年配の方、男性や女性、お仕事をしている人など、過ごしている環境は様々でした。普段あまり話さないようなメンバーでしたが、お互いのことを尊重することで、皆さん気持ちよくお話することができたと思います。

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 このように、当カフェでは様々な方が気軽にテーマについて話し合うことができます。また、当カフェでは様々な方が集まって気持ちよく意見を交換するために簡単なルールを設定し、それにそって話し合いを進めることで、だれでも気兼ねなく意見を述べ、人の意見を聞くことができます。

 私たちの身近なものをテーマとし、考えやすいテーマを設定しているので哲学についてあまりわからないといった方にもおすすめです。以下、1つでも当てはまる方は、ぜひ当カフェにおいでください!

 

・普段、誰かと話す機会があまりなく、少し外に出てお茶でも飲みながら話をしてみたい

・普段人と話し合うことのないテーマについて、話したり考えたりしてみたい

・様々な方と話したい

・おいしいお茶やコーヒーを飲みたい ...など

 

 次回は、11月13日を予定しています。皆様のご参加をお待ちしています!