開催日時:令和元年年6月30日(日)13時~15時30分
場所:神保町: サロンド冨山房Folio
テーマ:怒りの正体「あなたはなぜ、怒るのか」
形式:参加者同士のディスカッション
怒りの正体とは?
- 「期待の裏切り」(例)「守るべきルールを守っていない」「自分がやっている(できている)のに、相手はやらない(できない)」
- 「自分の価値が否定されたと感じるときに感じるもの」(例)自分の存在を否定された・貶された
- 「自分が不利益を被るときに感じるもの」
- 「悲しみの累積の結果」(例)相手への悲しみが積もり積もって、いつのまにか怒りに変化している。親子間殺人等
- 「自身の投影」(例)相手の忘れ物癖に対し怒っている場合、その怒りの正体は、自分自身の忘れ物癖に対する怒りである。つまり、相手への怒りは、自身に対する怒りをもあらわす
怒りに対処する方法
怒りには「人間的な怒り」と「動物的な怒り」の2種類があり、後者の怒りは「本能」から発生するものでは、という意見もあった。その怒りに対する対処法として、以下のような意見が出た。
- 最初から期待しない(あきらめる/自分にはどうしようもできないと思う)
- 相手に、自分より優先すべき事情があったと考えるようにする(例えば、相手が待ち合わせに遅れて怒りを感じた時、「急病の老人を助けたので止む無く遅れた」、と考えるなど)
- 「なぜ」と問いを繰り返し、怒りの原因を探り、対処する
- 考えないようにする
- 怒りの元から、自分の気持ちをずらす(例えば、相手に嫌なことをされたとき、甘いものを食べて気持ちを落ち着かせるなど)
怒りに対処するには余裕が必要?
「自分に余裕がなければ、怒りに対処することができない」という意見があった。
例えば、手取り10万でぎりぎりの生活をしているとき、あらゆるものに余裕がなく、怒ってしまいやすい。また、許すことが困難だ。しかし、宝くじで5億当たったとき、たいていのことは許せてしまうだろう。なぜなら、5億をもっていることで生活や気持ちに余裕ができるからだ。つまり、怒りへ対処するために、ただ相手を許すだけでなく、まずは自分が満たされていること(=幸せ・安定していること)が重要なのではないか。
怒りは悪いもの?
私たちは怒りを悪いものと捉えがちだが、一概にそうとも言えないのでは、という意見もあった。
怒るにはエネルギーが必要である。行動が伴うなら猶更である。例えば、ポイ捨てをする人がいる。大抵のひとがその人に対し怒りを覚えるだろうが、「かかわらないことが一番」とあきらめてしまう人もいる。怒りを覚えると、そのことについて、思考をしたり、何かを感じたりするので疲れる。注意をしようとすると、勇気・決断を伴うため、さらにエネルギーを必要とする。つまり、それだけのエネルギーを必要とする怒りとは若々しさ証拠であるともいえるのだ。若い人の鋭く繊細な感性は、あらゆることに対し違和感を覚える。それもまた、怒りを感じる元となっているのかもしれない。
怒りは愛である
怒りは「愛」である、という意見もあった。
相手を害してやろうと考え、感情に任せ怒る人もいるだろう。しかし、一方で真に相手のことを考え、注意する人もいる。それは、相手との間に信頼関係があり、相手にもっと良くなってほしいからだと願いゆえである。例えば、会社で遅刻した新人に対し、強く「遅れるな!」としかる場合、それは新人をいじめたいからでなく、遅刻は仕事相手や同僚、お客様との信頼を大きく壊す行為であり、本番(取引現場等)で同じことをして失敗等するのを防止したいといった気持からであろう。
まとめ
このように、「怒り」には様々な意味がある。
今回は、怒りは「期待の裏切り」から出てくる感情であり、最初から期待しない・諦めることで怒りを回避するといった意見を持つ人も何人かいたが、悪いことばかりでないことも分かった。
怒りを回避することも大切だが、感じた怒りをもとに何か行動を起こしたりすると、何かが変わるかもしれない可能性がある。
エネルギーが必要だが、時には諦めないで、感じた怒りに対し、向き合ってみるのもいいかもしれない。