日時:11月19日 13:00~15:30
会場:神保町FOLIO
テーマ:「世のため人のためって誰のため ONE FOR ALL ALL FOR ONEについて考える」
ゲストスピーカー:神山敏夫氏
ゲストスピーカーの話
中村天風の生涯と哲学の内容に触れながら、「人のために行動すること」「積極人生とは」など幅広いお話をしていただいた。
天風は「心身統一法」を提唱している。健全な肉体は健全な精神から作られるという考えで、当時不治の病と言われていた結核をチベットでの修行を通じ、心のもち方を変えることにより治した。その経験から、自身の地位や財産をなげうって心身統一法の考えを広めることに努めた。
神山さんは主に以下のようなことを主張された。
・健全な肉体は健全な精神から作られる
・心の持ち方が重要であり、それによって人生が明るくなる。例えば、交通事故にあったとき、「事故にあって不幸」と考えるより、「無傷でよかった」と思うことが重要だ。
・現実にあることに対し、できるかできないかは精神や考え方に左右される。
・人のために貢献するには、このような積極的思考が不可欠。
・積極的思考を行うためには、普段使われない意識(潜在意識)を積極的に使うことが重要。
グループトーク(テーブルA)
貢献には積極的思考が必要とのことから、積極的思考とは何かについて主に話し合った。
①積極的思考とお節介の境界はどこか
お節介とは、他人のために良かれと思い、その人のために何かをすること。積極的思考と同じ、または非常に似た言葉だ。しかし、現在はお節介を「うざい」と考え、受け入れられなくなっている人が多い。干渉されたくないと考えている。
積極的思考は貢献の必要条件であるのに対し、他人に対してお節介をすることが貢献になるとは限らないという点で、異なってくるのではないか。
②貢献か、押し付けか
相手に自分が正しいと思う考えを主張し、相手にもよくなってもらいたいと考える場面がある。自分から見ると「相手を豊かにしよう・よくなってもらいたい」と考えて行うことなので「貢献」になるが、同時に相手の考えを否定したり、意見の押し付けになることもある。
その場合、重要なのは相手を捻じ伏せることではなく、納得性を持ってもらうこと。そのためには、論理的に話して説得しなければならない。つまり、貢献には確かに積極的思考が必要だが、自分が積極的になるだけでなく、それが相手に受け入れられなければならないのだ。
貢献とは、自らをなげうって相手のために行動することであると捉えられる。しかし、それだけでは十分ではない。一方的なお節介が時に相手にとって受け入れられないように、自分が「貢献」と考えて行っていることが、相手に対して「貢献」であるとは限らない。貢献を行うときは自らの意志と同時に、相手に受け入れられることも必要である。
グループトーク(テーブルB)
①中村天風について
中村天風のような人生を歩んだ人は稀有であり、また、望んでそのような経験をすることができるものでもない、中村天風は昭和の偉人、またはスーパーマンに近いのではないか?
②積極的意思を持って生きる=ポジティブ・シンキング?
天風の「積極的意思を持って生きる」という話は「ポジティブ・シンキング」に近く、また「意思あるところに道が開ける」という言葉にも通じている。ある意味、それは普遍的な真理であり、積極的に生きなければ、人のために何かをすることもできないのではないか。
③世代の違い。昭和世代と平成世代の違いについて
世代の違いについては、全員が大きな相違があることを認めていた。生まれ育った時代に刷り込まれた感覚(無意識)を払拭することは困難だ。
④孤独はいい。しかし孤立はダメ
さらに、家族の問題について独居が増えているが、孤独はよいが孤立は避けなければならない。老後の問題として安楽死にも話が及んだ。
⑤家における祭祀の継承について
継ぐべきものがあるかどうか、続けていく意味があるかどうかという意見があり、ディスカッションが始まりそうになったが、時間が足りず中断。
当日の配布資料