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2014年9月20日に開催された第二回哲学カフェ

先日行われた「第二回 哲学カフェ」の内容を議事録にまとめましたので、ご覧ください。

日時:2014年9月20日 13時~16時
場所:サロンド冨山房Folio
記録担当:伊藤頼人

 

1. スタッフ井上より挨拶

哲学カフェのルールを説明

  1. 人の話をよく聞く。
  2. 他人の意見を頭から否定しない。
  3. 難しい言葉を使う時はその意味を説明する。
  4. 高圧的な物言いにならないよう気を付ける。
  5. 年齢や立場に関わらず全員が平等な立場で参加していると認識する。
  6. 話をするときは、できるだけ短くまとめる。

 

2. 山口しのぶ東洋大学教授より締め切りに関する講演

 

1)     時間を守るのは常識?

#日本人は時間を守るという印象があり、「約束の時間を守るべきなのか?」という問いに対して、「守るべき」と答えるのが常識だと考えられている。しかし、生活の中で実際に関わる身近な人間を思い返すとどうか

  • 毎回のように約束の時間に遅れ、それを悪いとさえ感じていないように見える人もいる。
  • 単純に仕事の進行が遅くて報告に行けない人もいるが、仕事の内容について口出しされたくないという気持ちから、仕事が進んでいても期日間際まであえて報告しない人もいる。
  • 「仕事が早い」と、周囲の人間に認識されたい気持から、仕事の締め切り期日よりも早めに終わらせる人もいる。
  • 仕事の報告は早めに来るが、修正すべき箇所があまり直っていない人もいる。

#外国の時間感覚の例

  • インドの公共交通機関は時間通りに発着しない。遅れについての説明もない。それについて外国人客は不快に感じることがあるが、現地の客は怒らない。
  • インドでハイヤーを頼むと、時間通りに来る。時間通り来られない場合も連絡がある。
  • 公務員は公共交通機関が遅れても労働者の給料が下がることはない。しかし、ハイヤーの場合は、顧客からの信頼が失われ、仕事の依頼が減り、収入が下がることに繋がる。それを知っているから時間を守るのではないか。
  • 上位カーストの人間から下位カーストに対する命令の場合は時間を守る。インド人も皆が常に時間にルーズというわけではない。
  • インドネシアで行われる国際セミナーの日程が1カ月変わることがあった。
  • 同国際セミナーの当日スケジュールを見ると、終了の時間が決められていない。

#個人の経験や国・州・組織毎の気質の違いによって、時間観念の違いが発生するのではないか。

 

2)     参加者の意見

#相手が約束の時間に遅れて来た場合

  • 友人なら30分程度なら許容する。ビジネスで許容出来るのは10分程度。
  • 気にしない。
  • 相手に関わらず10分程度なら許容する。
  • 何時間でも良い。相手のことが心配になる。

#自分が約束の時間に遅れた場合の気持ち、行動は

  • 連絡して探す。
  • 場合によって変わる。

 

3)     時間が守られない理由は何か

#自分と他人の時間感覚の違い。

#自分と相手との関係性。相手に対する「甘え」、「怖れ」。

#相手にどう思われたいのか。認められたいのか、無関心なのか。

#仕事内容が自分にとって重要か、好きか嫌いか。

などの要因によって変化すると考えられる。

 

4)     締め切り(制限時間)に関わる「規律」と「甘え」

締め切りに遅れてしまう人には「この程度の遅れなら大丈夫だろう」という想定がある。締め切りを設定する側は、遅れそうな人に対して予め締め切りを早めに伝えておくことで、本来の望ましい期限に仕事が終わることが想定される。そうすることで、伝えた締め切りに間に合わなくても、「許し、許される」範囲が生まれる。

 

3. ゲストスピーカー ボサール氏よりコメント

#締め切りに対していつも送れる人、いつも早い人には共通する要素があるのではないか。それは健康に影響を及ぼす一種の病気という表現と言えるかもしれない。

締め切りに遅れる理由について考えるべきである。学校だけではなく、両親の教育が重要である。

遅れる人と待つ人の間に理解があれば問題にはならないのではないか。電車が遅れることについて、「そういうもの」という認識があれば遅れたことに怒らない。この認識が無いと怒る。

待たせる人をリスペクトするかしないかという問題と同質の要素があるのではないか。

 

4. 参加者によるディスカッション

フィリピン時間というものがある。日本では仕事の時間を優先する傾向にあるが、フィリピンでは家族と過ごす時間を優先する傾向にある。

自分が遅れることが苦しいという感覚がある。

人によって時間感覚が違うことを認識しておくべきである。

ローカルな人との交流を経験し、慣れておくとストレスが貯まりにくい。

「人の時間を盗むな」としつけられた。

野球チームの監督をしていると、選手の状態を早めに把握したいと思うから、試合の日は選手には早めに来てもらいたい。

待つ経験をして寛容になったと感じる。

時間を守ることが利益にならない場合もある。

時間の管理が大事。

早く行かないと気が済まない。

締め切りに遅れる原因として、能力不足の場合や、締め切り間際に別のことししてしまうなど、様々なケースがある。

締め切りに間に合わせることが出来るのは責任感によるものがある。

「みんなも遅れるだろう」という認識があると自分も遅れて良いのではないかと思ってしまう。

待ち合わせに自分が遅れるよりも、先に着いて待っている方が気が楽。待たせるのはプレッシャーに感じる。

遅れると迷惑をかけて信頼が無くなる。結果的に自分が損をする。

何かアクシデントがあっても間に合うように、保険で早めに着けるように行く。

他の人から見たら十分な仕事でも、本人が仕事に納得していなくて仕事を終わりに出来ない人もいる。

仕事を「間に合わせる」、「間に合わせない」以外に「辞める」という場合もあるのではないか。

自分が遅れる場合でも携帯電話で連絡しやすくなったため気が楽になった。

個人個人が時間を守るようになると組織運営において人を使いやすくなる。

時間を守ることの実際の利益とは別に、「時間は守るべき」という道徳的観念が存在するのではないか。

外国人の中には、日本人の時間に対する厳しさを窮屈に感じている人もいるように感じる。遅れに対する「許し」の範囲を広げることで窮屈さを感じさせないようになるのではないか。

以上のような意見が出た。

 

5. 次回の講演予定者である今泉浩晃氏より挨拶があり、9月20日の哲学カフェは終了。